難病ALS看病などライフスタイルの変化の波。ご自身の過ごされたい日々を送るヒントとは。 - アトリエKako|三重県のガラス工芸・グラスアート

難病ALS看病などライフスタイルの変化の波。ご自身の過ごされたい日々を送るヒントとは。

お教室コラム, 未分類, 生徒様インタビュー

【生徒様インタビュー】

今回は安達真樹さん

私との出会いは2015年。
当時、ペパン工房というパン屋さんを営まれており
その一角で「お稽古教室」をやりたいと、お電話をくださったのでした。
現在で8年のお付き合い。
その間には、傍目には激動とも見える、さまざまな生活の変化がお有りでした。

レンタルルームのオーナーと講師の私。という関係から
生徒さんとして。
物理的にも精神的にも
自分時間の確保が難しそうな状況でも、ご自身の過ごされたい毎日を過ごされていたような。
そんなご様子を当時のことも振り返っていただきながら
お話いただきました。

竹島:この八年の間に、私の前の真樹さんは色々変化がお有りでしたね。
最初の頃は、レンタル教室のオーナーとして、パンを焼きながらお時間がある時に作品を作られ、
その後はお母様の看病でご同居になり。

安達さんが営まれていた「ペパン工房」ここでレッスンさせて頂いたり、マルシェを開催されたり、懐かしい写真

この時、すでにお母様はご回復が見込めないご病気とのことでしたが、
一緒に作品を作って頂いたことがありました。
何か、思い出になるといいなという思いも当時ありましたが、
今思うと、いかがですか?

安達:まず、母を家に受け入れることになった時、看病が始まるからレンタル教室をやめます。
とは思わなくて。工夫をしながらやりたいことを続けるというのが、私はポリシーというか。
そして、母は手先が器用で作るのが好きだったので、母も何もせずにいるよりは一緒に出来ることはないかな、と考えて、ALSという筋肉の病気が進行していたので、手はもう上手くは使えなかったですけど、色を選ぶとか、その中で母に出来ることをしてもらってました。

あの時の写真を今見ても、あぁすごくいい時間を過ごせてよかったなと思います。
もし、あの時、看病が始まったのでもう、教室もやめます。と言っていたら、
この風景は見ることは出来なかったと思います。

レッスン中、フィルムの色選びをされるお母様と真樹さん

帰りに杖を忘れられ‥の微笑ましい一コマ。私の大好きな写真です。

竹島:あの時、レッスンの中にお母様が入られて、真樹さんと共に作られる姿が、私を含めご参加者の
皆さんに与える影響も大きかったように思います。一緒に作られた作品も思い出になられましたか?

安達:そうですね。ちょうど教室展があったことで、母との共同作品を展示したいという目標みたいなものも出来て、実際、母が色を選んでくれた作品を飾ることができて嬉しかったですね。
完成する頃はもう、病状もかなり進んでいて、レンタル教室はやめさせて頂いていましたけど、
やはりその時も、隙間を縫って、今ならいける!みたいな感じで「作品の完成」とか「展示会の出展」がモチベーションになっていましたね。

共同作品。アトリエKako教室展にて

真ん中の文字は、書道の先生でもある安達さんが書かれたもの。

竹島:私にとっても思い出深い作品です。
お母様のご心配とか、時間が普段のように自由ではない中での展示会出展や作品作りの日々と
いうのも‥良かったのですね?

安達:はい。看病や介護をしていると、どうしても家の中に居がちで社会との関係も閉ざされるんですが、やりくりしながらでも、自分で作った時間を、私の場合は物作りに充てて「出来た!」というのがすごく達成感がありましたね。自信とか、気持ち的に前向きにもなりました。

竹島:展示会が終わってからは、もっと「休みながらでも行ける時に行くスタイル」になられてましたけど、それでも来て頂いていましたよね?

安達:場所が変わる、自分で選んだことをやるという事は、日常に戻った時の自分の精神状態に与える良い影響が大きいので、努めて全部をやめない方を選んでいましたね。

竹島:その心持ちは、最初から出来たんでしょうか?ALSというご病気を知った後、まだ現実には起きていない事への不安からも、全てを看病や介護に振られることも
世の中には見受けられるかと思いますが、そのあたりはどうでしょうか?

安達:「私はこの人生をどう生きようか」と言う風に考えています。私の人生と起こってくる事と一緒にせずに常に二本で考えています。これは子育ての時も同じでした。
なので、母の難病の宣告を受けた時も、どうなるんだろうと言う思いはありましたけど、
無理な事は削ぎ落として、「これなら出来る」というのを残して看病をしていたので、
時によっては、自分のほとんどを看病に時間や思いを費やす瞬間はありましたけど、
自分の中のここは死守するという物は持っていたと思います。

お母様の展示会の時の休憩の一コマ

安達さん主催のお母様の展示会。各種メディアでも反響がお有りでした。

竹島:いいお話を聞かせて頂きました。

安達:看病も介護も、いつかは終わるので、もしここで全てゼロにしてしまったら
本当に終わった時に、さてここからどうしよう。ともなりますし、そう言った意味でも細々とでも繋がっていたおかげでスムーズに戻れていると思います。

竹島:比率は左右されても全て失くさなくても、と言う感じですね。
今後は、どう生きていきましょう?(笑

安達:看病、介護を経験したからこそと言うか、ここからの自分の年代をどう生きようか、と前向きに思う気持ちが強いです。心のままに好きに過ごそう、というのと、私と言う人間はこれから何をするんだろうという、自分への期待があります。

竹島:自分への期待。素敵ですね!この度はありがとうございました。

安達さんの最近の作品「プレゼントのランプ」

ライフスタイルの変化に伴い、自分の時間がままならない時という時期があるかと思いますが、
自分という軸はそのままに、自然体でその波に身を委ねられ、自分の人生の舵を握られている生き方に
触れさせて頂きました。物作りのお稽古時間がほんの片鱗でもそのお役に立てていたと伺えて心が温かくなりました。
今後も末長くお付き合いをさせて頂けたらと思います。

インタビュアー:竹島愛佳

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